―――どこからか楽しそうな鼻歌が聞こえてくる。 どこかな〜? そう思って探してみると…… いたいた 鼻歌の出所はキッチンだ。 そして歌ってる人はもちろん… 「アッちゃーん!何してるのー?」 「わわっ、いきなり入ってこないで欲しいッスよぉ…スズちゃん」 そう、やっぱりアッちゃんことアッシュだった。 飛びついたせいで乱れた呼吸を整えながら、僕はもう一度聞く。 「で、何してんの?」 「何って…お菓子作ってるんスよ」 その言葉に僕の目が輝く。 「おかし!?」 何を隠そう僕は甘いものが大好きなんだっ! という訳でぇ〜、食べたい〜って視線でじぃ〜っと見てみるけど… 「ダ、ダメッスよ?今夜の分なんスから」 アッちゃんは抵抗する。 よーし、それなら…とスマ兄に習ったとおりに… えーっと、手を組んで…上目遣いに…目をパッチリと…。 「うっ………か、可愛くしたってダメなもんはダメッス…」 「アッちゃんのケチ〜」 僕はふくれながら疑問に思った事が一つ。 「今日の夜ってなにかあったっけ?」 「は!?今日はハロウィンじゃないッスか」 と、アッちゃんは驚きながら言う。 でも、そんな事言われたって 「はろいん?」 知らないものは知らないのだ。 僕が本当に知らないんだろうと考えたのか、 アッちゃんが苦笑交じりに言った。 「どーりで他の姫君たちと一緒になって騒がない訳ッス」 「何その言い方〜!」 まるで僕だけが知らないような言い方。 「ねぇ何その『はろいん』って」 「ハロウィンッスよ…」 訂正しながら話しはじめてくれたアッちゃん。 きっと後で彼は後悔するだろう。 ・ ・ この子 た ち に教えなければ良かったと… next
ハロウィンネタです!!・・・ハロウィンに間に合わせたかったよ・・・
ここで新キャラの緑スマイル『スズ』ちゃんの登場です!
・・・・・ガキですなぁ、この後も『ちみっこズ』が登場しますので、
ごゆるりとお楽しみ下さい。
背景のハロウィンキャンドルは『空に咲く花』様から頂きました。