―血まみれの道化師―

                    blood-stained clown



  ―すべてが消えて、自分一人、真っ暗な世界にいたいと思った。

 

 もうボクに構わないで…ボク一人ダケの世界を頂戴?


 だれにもじゃまされず、ゆっくりと寝れる場所。









   「クレテヤロウカ?」




 どこからかそんな声がした。

 だれかなんて関係ない、



 ボクが一人になれる場所をくれるのなら。






 「トキハナテ、『シンクノセカイ』ヲ」








 気がつくと、目の前は赤い赤い世界だった―



 


 フフフ…アハ、アハハ。


 アハハハ、目の前が赤いヨ、真っ赤ダヨ。


 痛い、体中が痛いヨ。




      もう



 眼に映るものは赤い色だけ。




 熱い、体が焼き尽くされそうなくらい。



 アハッ、アハハハッ。



 


 気持ちいい、キモチイイ。



 初めてダヨ、こんな気持ち。

 
 
 この赤は……とてつもなくキモチイイ。


 




 あぁ…孤独だ。


 望みに望んできた孤独だ。



 それは美しく儚い。





 アァ、ボクと世界は繋がっている。



 いや、繋がっていたんだ。



 すべてを世界から消す必要なんて初めからなかった。

 





  世界がボクを




  ボクが世界を



 切り離せばよかったんだ。

 

 アハハ、赤いよ、赤いよ、真っ赤だよ。













 フッ…と、血まみれの道化師は動きを止めた…




 しかし


 その顔から笑みが消えることは永遠になかった…。






                       fin.


 

 












紅猫さまのサイトとの相互記念SSです。
元々考えてたものに少しだけ着色という、手抜き…
こ、こんな感じでいかがでしょうか?
紅猫さまのみお持ち帰りOKです


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