ねぇアッシュ……キミはボクがどんな"コト"をしてきたとしても…好きでいてくれるよね?
―粉雪の降り積もる中で―〔1〕
「アッシュー!!」
街はクリスマス一色。サンタに扮装した人たちがビラ配りをしている。
今日は2人とも別々に仕事があって、
せっかくのイヴなのに会えないのかなって落ち込んでたんだ。
でもアッシュが、お仕事早く終わったから会おうって言ってくれたんたダ。
そのアッシュは木の幹に寄りかかってタバコを吸ってる。
も〜、ダメっていってんのにナァ〜。
「おっ、スマ。来たッスね」
ボクは尻尾をふって飛びつく犬みたいになってアッシュに飛びつく。
さすがに予想してなかったみたいで、驚きながら、
でも、しっかりと抱きしめてくれた。あ〜暖かいナァ〜。
しばらく抱き合ってて、それからアッシュが
「じゃあホテルにい「この変態犬っ!!」
ボクはアッシュのすねを蹴っ飛ばす。ホント、信じられないヨ、モー!
せっかくいいムードだったのに台無し。
「ごめんッス」 耳をショボーンと垂れ下げてるアッシュ。
ウッ、これは可愛すぎる…しょうがない、許してあげようっと。
「もうイイヨ。それよりネッ、お腹すいたのぉ〜」
「はいはい、予約しといたレストランに行くッスよ」
さすがアッシュ!抜け目無いネェ〜…でもイヴ当日によく予約なんてとれたよネェ〜。
普通1ヶ月前でも取れないこともあるらしいのに…聞いてみよ。
「ねぇアッシュ、どうやって予約とったノ?」
「あぁそれは……deuilの力をすこ〜し貸してもらったんスよ」
なぁ〜るホド、直接いって、deuilのアッシュですっていったら
簡単にとれる訳だネ、自分で言うのもなんだけど、人気バンドだシィ〜ヒヒヒ。
ボクは少し前を歩くアッシュに小走りで追いつき、腕を組んであげる。
これからおこるであろう幸せなトキを考えながら……
これから本当におこる…
悲しい事実に気づかずに……
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